メンズスーツの着こなし!基礎知識とサイズ感を懇切丁寧に解説!おしゃれに着こなすにはサイズ感が大切。

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今回はサラリーマンの代名詞、スーツについて。

仕事で着用したり行事で着用したり、誰しもが一度は着たことがあるのではないでしょうか。

特にサラリーマンだとほとんどの方が休日以外をスーツを着用して過ごします。

だからこそ少しのポイントを意識するだけで他人との差がつきやすく、オシャレに見られやすくなる。

そんなビジネスシーン、スーツの着こなしについてです。

基本的に無理におしゃれになろうという意識はスーツスタイルには必要ありません。

 

そもそも、スーツの着こなしは所属している会社、環境によって拘れる幅がマチマチです。

例えば、公務員や金融関係、営業関係や自営業など仕事によって具体的な着こなし方、拘れるレベルは決まってしまい、これはどうしようもありません。

では、人によって出来る出来ないの制限があるスーツスタイルをどのように均等におしゃれに見えるようにするのか。

その答えは着こなし方の基本のルールを知ることにあります。

 

スーツは良い意味で着こなし方の答えが既に存在しています。

 

これをしっかりと守ることでコーディネート的なテクニックを使わずとも、誰でもきちんと綺麗にスーツを着用することが可能です。

 

スーツは身体に合ったサイズ感できっちりと着ると、シワや苦しさが無くなり、着こなしの正解⁼スーツスタイルの完成系に近づきます。

 

これだけでぐっとおしゃれに見えるのです。

そのポイントを確認していきます。

 

まずはその前提知識として、スーツスタイルがどのようなアイテム構成になっているのか、選び方を、そしてサイズ感のポイントをみていきます。

 

テーラードジャケット

スーツの顔とも言えるジャケット。

まずは特徴的な各部の名称と簡単な紹介です。

 

シングル、ダブル

ジャケットのディティールにおいて最も違いが分かりやすいポイントです。

 

シングルスーツ

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https://goo.gl/XdNRO8

スーツ、と聞いてほとんどの方がイメージするであろう超絶スタンダードな仕立てです。

フロントのボタンが一列に並びビジネスからフォーマルまで対応できる基本の形。

それ故に後述する襟の形やボタンの数など細かなポイントに影響されやすく、着こなし方も幅広くなっています。

 

ビジネスシーンでは迷うことなくシングルスーツを選びましょう。

本記事ではシングルスーツを前提として説明していきます。

 

 

ダブルスーツ

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https://goo.gl/f79ofO

ボタンの並びが二列になっているスーツです。

シングルよりもかっちりとしたドレスのレベルが強い仕立てで、フォーマルスーツに多く見られます。

ジャケットの面積が必然的に大きくなり、相手に重厚感や威厳を感じさせます。

マフィアのボス的な人がよく着ているイメージです。

ちなみに、スーツスタイルにおけるドレスレベルを高める要因の1つとして生地を多く使うことがあります。

高価な生地を多く見に纏うことで相手への礼儀を示し、ドレッシーな印象が高まるのです。

 

 

ラペル

 

ラペルとは下襟のこと。

ジャケットを見たときに初めに目につきやすいポイントです。

後述の着こなし方にも関わってきますが、基本の3種類のバリエーションだけは覚えておいて損はないです。

 

ノッチドラペル

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よく見かけるであろう定番の襟型です。

ラペルの上部が斜め下、地面に向いている形です。

初めの一着としてはもちろん、ビジネススーツとして間違いのない襟型です。

 

ピークドラペル

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こちらはノッチドラペルとは逆、ラペルがナナメ上を向いている形です。

直線的な印象が強く、かっこいいです。

ただ、スタンダードなノッチドラペルと比べフォーマルな襟型になります

ビジネスシーンではドレッシーな印象が強くなりすぎて使いづらいです。と言うか、最初は選ばない方が吉です。

 

 

ベント

ベントとはジャケットの後ろ裾に入っている切れ込みのこと。

ジャケットの運動性の確保と見た目の印象にもつながる、目立ちにくく気にする人も多くはないですがこだわって欲しいディテールのひとつ。

主に3種類です。

 

センターベント

中央に切り込みのあるスタンダードなタイプです。

若々しくスタイリッシュなイメージで、シンプルな着こなしやすっきりとしたスーツスタイルが好きな方にオススメです。

 

サイドベンツ

左右に切り込みのあるタイプ。

センターベントと比べ、重厚感の感じられる大人っぽいディテールです。

ヒップ全体が隠れるため、お尻の大きさが気になる方や体型が気になる肩にオススメ。

またスラックスのポケットに手を突っ込んだかっこつけポーズがよりかっこよくなったりします。

ベントで迷ったらサイドがオススメ。

 

ノーベント

切り込み自体が無いもの。

余計なディテールがなくなるので非常にミニマルな印象です。

フォーマルスーツ、タキシード等運動性の必要ないドレッシーなスーツに多く用いられています。

 

フロント

ジャケットのフロントボタンの数もスーツによって変わってきます

ボタンの数が増えるほど、クラシックで保守的なイメージになります。

 

1つボタン

ビジネスシーンにおいてはこちらはオススメしません。

ボタンがひとつなのでボタン位置が下がりVゾーンが広く開きかなりドレッシーな印象。

ホストが着ているテーラードジャケットなイメージです。

 

2つボタン

ボタンが2つのタイプです。

ビジネスシーンにおいてドレスのレベルが適度で、現在は2つボタンがスタンダードなデザインとなっているので、基本こちらの対応を選べば間違い無いです。

ボタンは2つありますが上だけ留めて下は外しましょう。

それが正しい着こなしです。

 

段返り3つボタン

ボタンは3つとクラシックな印象ながら、ラペルの折り返しに一番上のボタンがついているタイプ。

上のボタンは飾りボタンとなるため、真ん中のボタンだけを留めます。

ボタンの位置からくるVゾーンの開きは2つボタンと変わらないため、こちらもビジネスで使いやすいタイプです。

ちなみにスーツ発祥のイギリスでは昔からこの段返り三つボタンが主流。

 

3つボタン

段返りでは無いタイプ。

こちらは上と真ん中、2つのボタンを留めましょう。

Vゾーンが狭くなるためきっちりとした真面目すぎる印象になり、色気、スタイリッシュさとはかけ離れてしまうためオススメしません。

 

テーラードジャケットのサイズ感のポイント

ここからはサイズ感のポイントを見ていきます。

ジャケットはスーツスタイル構成アイテムで最も見るべきポイントが多いです。

 

肩幅

スーツは肩で着る、とも言われるくらい肩のフィッティングは重要。

裾上げ、脇詰め等スーツは基本お直し前提で着るものですが、肩幅だけはお直しができない場合がほとんどです。

逆に言うと、肩幅さえクリアしてしまえば後はどうとでもなるものなのです。

ジャストサイズの選び方は、ジャケットの肩より自分の肩が少し狭い程度、ジャケットの肩を指で摘める程度の余裕があることです。

このサイズ感を選ぶと、ジャケットのラペル(襟)後ろから肩にかけて、背中に吸い付くようなフィット感が得られます。

適正サイズより小さいと方が詰まって窮屈な印象に、腕の可動域も狭まって動きづらく、時ジャケットへのダメージも大きくなってしまいます。

大きいと肩のラインが余り、落ちてスマートなシルエットではなくなってしまいます。動きやすさ故か、昔の肩パッド巨大化時代の名残か、大き目を選んでしまっているサラリーマンは通勤電車でよく見る光景の一つです。

スーツを試着したとき一番初め見るポイントは肩、これを覚えておきましょう。

 

袖丈

全体の印象にも大きく影響を与えるポイントのひとつ、袖丈。

基本的には親指の先から袖口までが10〜12センチ程度の距離になること。

具体的には手首のくるぶしに袖口がかかるぐらい、と覚えておきましょう。

また、手のひらを床と平行に曲げ手の甲に袖口が触れる程度です。

スーツスタイルの袖口に見られるポイントはジャケットとシャツの袖丈も関係しています。

ここをきちんと見るか見ないかで本当に印象が変わるので少しシビアに確認することがオススメです。

 

着丈

基本的にはジャケットの着丈はヒップに3分の2程度かかるくらい

ヒップが完全に隠れても、見えすぎていてもよくないです。

特に初心者はカジュアルでのジャケットのイメージからか短めにしがちなので気をつけましょう。

ベントの種類、センターベント、サイドベンツ、ノーベントで適当な長さがかわるわけではありません。

トレンドが反映されやすい着丈。

タイト目のスーツだと短め、ゆとりのありクラシカルなスタイルだと長め、と時代の流行によってその長さを変えていきシルエットのバランスを取る役目をしています。

このように短いとカジュアル寄りに、長いとタキシードのようによりドレスレベルが高くなります。

 

身幅

身幅とはジャケットの胴回りのゆとり。

ボタンを留めて確認します。

留めた状態で握りこぶしをジャケットの内側に入れて確認しましょう。

こぶしひとつ入る程度の余裕がジャストサイズになります。

余裕がありすぎるとジャケット全体が大きく見えてしまいシルエットのバランスが悪く、細すぎるとボタンを留めた時にシワが寄り窮屈な印象に、またジャケットにダメージが出てしまいます。

 

 

ラペル

サイジングではなく着こなし方になりますが前述の通り、ビジネスシーンではノッチドラペルを選びましょう。

ラペル幅もスーツの着こなし、相手に与える印象的に重要になってきます。

基本的にラペル幅が太ければ太いほどクラシカルで重厚な雰囲気になり、幅が細くなるとモードテイストでスタイリッシュな印象になります

太さによってワイドラペル、レギュラーラペル、ナローラペルと大体3種類に分かれているので、レギュラーラペルの8〜8,5センチ幅のものを選びましょう。

ワンポイントとして、ラペル幅、シャツの襟の長さ、ネクタイ幅を合わせると整った印象となります。

これを踏まえてシャツ、ネクタイも見ていきましょう。

ちなみに、このラペル幅がスーツのトレンドを大きく反映しわかりやすい指針となっています。

現在、クラシカルな流れが来ておりラペル幅も徐々に太めのものが流行しだしています。

スタンダードな着こなしとしては標準的な太さのレギュラーラペルを選べば間違いはないですが、一歩踏み込んでトレンドを反映した着こなしにするならばワイドラペルに挑戦するのも面白いです。

 

以上がジャケットの基本的なディテールとサイジングのポイントです。

肩幅、袖丈、着丈、身幅のポイントを確認すればぐっと綺麗に着ることができます。

 

スラックス

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スーツのパンツのことです。

ジャケットと同じようにスーツ全体の印象に大きく影響を与えるのでしっかり見ていきましょう。

まずは各部の名称と紹介から。

 

センタークリース

デニムやチノパンとスラックスの大きな違いのひとつである特徴です。

センタークリースとはスラックスの中心に走っている折り目のこと

このセンタークリースによってスーツの見栄えがはっきりと変わってくる重要なポイントです。

ではその折り目がどのような効果を与えているのでしょうか。

それは全体への安定感とスタイルアップ効果です。

試しにスーツスタイルの写真のセンタークリースを消して見ましょう。

何かぼやけるような、のっぺりしたような印象を受けるはずです。

センタークリースが入ることでスラックスの中に強弱が付き、落ち感の強いウール地の中にリズムが生まれのっぺりとした地味な印象が払拭されます。

また地面に向かって一直線にラインがあるので背骨がきちんとあるような安定感が感じられるのです。

もうひとつの効果がスタイルアップです。

折り目があることで、縦のラインが強調され脚長効果が生まれます。

脚を長く見せることで全身のバランスも良くなり、デニムやチノパンなどのカジュアルアイテムと比べ大人っぽく綺麗なイメージになります。

 

シングル、ダブル

スラックスの裾にはシングル仕上げ、ダブル仕上げという2種類の仕上げ方があります。

特徴を簡単に説明するとシングルは裾の折り返し無し、ダブルは折り返しのあるものです。

シングル仕上げ

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ダブル仕上げ

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この2種類で印象の違いがあります。

シングルはフォーマル寄りで冠婚葬祭からビジネスまで使える万能型、ダブルは若干カジュアル寄りでおしゃれなイメージになるのでジャケパンスタイルなどにおすすめです。

また裾上げをする時ほとんどのスラックスがダブルの折り返しの幅を変更することができます。

細くも太くもできるのですがバランスの良い通常幅は4センチ程度です。

 

スラックスのサイズ感のポイント

次にスラックスのサイジングのポイントです。

ウエスト位置

まずは普段からスーツを着用している方もなぜかあまり意識していない正しいウエストの位置について。

正確な位置はスラックスのウエストが腰骨の上に乗っている位置になります。

試着の際に間違って合わせてしまうと裾上げが不正確になってしまうので、試着時から気をつけましょう。

 

ウエスト

スラックスのウエストに手のひら1枚入る程度の余裕がジャストサイズです。

これより緩いとベルト着用時にウエスト周りにシワが寄ってしまいます。

また細身に履きたいからといってウエストまでギリギリのサイジングにするとスラックスへのダメージが増えたり、ポケットが開いてしまったり見た目的に窮屈な印象になっていしまいます。

なので、ジャストで履いた方が綺麗にすっきりと見えるのです。

 

ワタリ

スラックスのワタリ(もも周り)も印象が変わるポイント。

太ももの前後の生地にひとつまみずつ摘める程度の余裕があると良いです。

タイトめが良いからといってあまりにピタピタだと窮屈感が出てしまうのと、前述したクリースラインが消えやすくなってしまうので見た目的にもスラックスのためにも良くありません。

スキニーなどのようにスラックスのシルエットの印象を決めるのは裾幅の細さ。

ワタリはきちんと余裕をもたせておきましょう。

 

股下

スラックスの裾上げ後の長さについて。

ビジネスによっても違いますが基本的にハーフクッション程度の長さがおすすめです。

そもそも裾の長さはクッションの出方によって判別します。

クッションとはスラックスの裾がシューズに乗っかって出来る弛みのこと。

シューズの上にしっかり乗って大きく弛みの出ている長さがワンクッション。

少し弛みはあるもののソックスがギリギリ見えない程度がハーフクッション。

完全にスラックスの裾とシューズが離れているのがノークッションとなります。

すっきり見せるためにはノークッションが最も適していますが、ビジネスシーンではソックスを見せないのがマナー。

なのでノークッションよりきちんとしていてワンクッションよりすっきり見えるハーフクッションがおすすめです。

 

 

以上がスラックスのポイントです。

スラックスは腰骨に乗っかる程度の位置で履き、タイト過ぎないウエスト周りともも周り、ハーフクションでシングル仕上げがオススメになります。

 

 

今回はスーツの基本となるジャケットとスラックスの特徴とサイズ感のポイントでした。

次回以降でシャツやネクタイ、シューズなどなど解説予定です。

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